「またイライラしてしまった…私って最低な親だ」
「他のママはあんなに穏やかなのに、なんで私はこうなんだろう」
「子どもに申し訳なくて、毎晩後悔している」
育児中に、こんな罪悪感を感じたことはありませんか?
実はこの罪悪感、単なる「育て方の問題」や「性格の問題」ではないことが多いんです。その背景には、親自身の自己肯定感の低さが深く関わっていることがあります。
今回は、自己肯定感が低い親が育児で罪悪感を感じやすい理由と、その正体について、心理学の知識も交えながら書いてみたいと思います。
【この記事でわかること】
- 自己肯定感が低いとはどういう状態か
- なぜ自己肯定感が低い親は罪悪感を感じやすいのか
- 罪悪感の正体と、その和らげ方
- 自己肯定感は今からでも育てられるということ
自己肯定感が低いとはどういう状態?
「自己肯定感」という言葉、よく耳にしますよね。でも、具体的にどういう状態のことを指すのか、意外と曖昧なまま使っている方も多いのではないでしょうか。
自己肯定感が低い状態とは、簡単に言うと「何もしていない自分、そのままの自分には価値がない」という感覚を根っこに持っている状態です。
たとえば、こんな思考が頭をよぎることはありませんか?
- 「もっと頑張らないと、自分には価値がない」
- 「失敗したら、みんなに見放されてしまう」
- 「あの人と比べて、私はダメだ」
- 「誰かに迷惑をかけてしまった、申し訳ない」
これらは、自己肯定感の低さからくる思考パターンの典型例です。
私自身も、長年こういった思考に悩まされてきました。大手コンサルで管理職まで務めながらも、心の奥底では常に「もっと頑張らないと」「これくらいでは足りない」という感覚がありました。外側からの評価がないと、自分に価値が感じられなかったんです。
なぜ自己肯定感が低い親は罪悪感を感じやすいのか
では、なぜ自己肯定感の低さが育児の罪悪感につながるのでしょうか。
それは、自己肯定感が低い人は「自分はダメな人間だ」という無意識の思い込みを持っているからです。
人は自分の思考(認知)に合わせて、外側の世界を解釈する仕組みになっています。つまり、「自分はダメな人間だ」という思い込みが強いほど、日常のさまざまな出来事を「自分がダメな証拠」として解釈しやすくなってしまうんです。
育児の場面で言うと…
- 子どもが泣き止まない → 「私の育て方が悪いから」
- 子どもに怒ってしまった → 「やっぱり私はダメな親だ」
- 他のママが穏やかに見える → 「私だけができていない」
- 子どもがぐずる → 「私のせいでこの子はこうなっている」
どれも、起きた出来事を「自分のせい」「自分の欠陥の証拠」として解釈してしまっているんです。
でも、本当にそうでしょうか?
子どもが泣き止まないのは、前の記事でもお伝えしたように、2歳前後の子どもは脳の発達上、感情をコントロールする力がまだほぼない時期だからです。育て方の問題でも、親の欠陥でもないんです。
「比べる」ことで罪悪感はさらに大きくなる
自己肯定感が低い状態では、どうしても他の人と自分を比べやすくなります。
「あのママはいつも穏やかで、子どもに優しく接している」「SNSで見るあのお母さんは、毎日手作りごはんで笑顔で育児している」——こういった情報が目に入るたびに、「私はできていない」という罪悪感が膨らんでいきます。
でも、ちょっと待ってください。
SNSに上がっているのは、その人の生活の「ハイライト」です。泣いている場面、怒鳴ってしまった場面、ぐったりしている場面は、ほとんど誰も発信しません。他の人の「良い場面」と自分の「全場面」を比べていることに、気づいていますか?
比べること自体が、フェアじゃないんです。
罪悪感の正体:「自分はダメだ」という古い物語
育児の罪悪感の正体を、もう少し深く掘り下げてみましょう。
心理学的に見ると、自己肯定感の低さは多くの場合、幼少期の経験から形成されます。
たとえば、子どもの頃に「もっとちゃんとしなさい」「なんでできないの」と言われ続けた。失敗すると叱られ、成功した時だけ褒められた。親が忙しくて、感情をそのまま受け止めてもらえなかった——こういった経験が積み重なると、「そのままの自分では愛されない」「頑張らないと価値がない」という思い込みが、心の深いところに刻まれていきます。
そしてその思い込みは、大人になっても、親になっても、ずっと心の中で動き続けます。育児でうまくいかないことがあるたびに、「やっぱり私はダメだ」という古い物語が再生される——これが、罪悪感の正体のひとつです。
あなたが感じている罪悪感は、今の育児の問題ではなく、ずっと昔から抱えてきた「自分への物語」が反応しているのかもしれません。
罪悪感を和らげるために:まず「気づく」こと
では、どうすればこの罪悪感を和らげることができるのでしょうか。
まず大切なのは、「あ、また自分を責めているな」と気づくことです。
責めている自分に気づいたら、こう問いかけてみてください。
「これは事実?それとも私の解釈?」
「子どもが泣き止まない=私のせい」は、事実ではなく解釈です。「怒ってしまった=ダメな親」も、解釈です。
次に、こう言ってあげてください。自分自身に。
「この状況で罪悪感を感じるのは、それだけ真剣に子どもと向き合っているから。それは、十分すごいことだよ。」
罪悪感を感じるということは、「もっとよくしたい」という愛情の裏返しでもあります。無関心な親は、罪悪感なんて感じません。罪悪感を感じていること自体が、あなたが良い親である証拠でもあるんです。
自己肯定感は、今からでも育てられる
「幼少期の経験が原因なら、もう変えられないじゃないか…」と思った方、大丈夫です。
自己肯定感は、大人になってからでも、今からでも、育てることができます。
その大きな方法のひとつが、「そのままの自分を受け止めてもらえる経験を積むこと」です。失敗しても、うまくできなくても、「それでもあなたはOK」と感じられる経験が、少しずつ心の土台を育てていきます。
信頼できる友人、パートナー、あるいはカウンセリングの場——そういった安心できる関係の中で、「そのままの自分」を受け止めてもらう経験を積むことが、自己肯定感を育てる一番の近道だと私は考えています。
私自身、カウンセリングを通じてそのような経験を重ねてきました。それが、今の自分の土台になっています。
まとめ
- 自己肯定感が低い状態とは「そのままの自分には価値がない」という感覚を根っこに持っている状態
- 自己肯定感が低い親は、育児のさまざまな場面を「自分のせい・自分の欠陥の証拠」として解釈しやすく、罪悪感を感じやすい
- 他の人と比べることで罪悪感はさらに大きくなる。SNSの「ハイライト」と自分の「全場面」を比べるのはフェアではない
- 罪悪感の正体は、幼少期から抱えてきた「自分はダメだ」という古い物語が反応していることが多い
- 罪悪感を感じること自体、子どもへの愛情の証。まず「気づく」ことから始めよう
- 自己肯定感は今からでも育てられる
「私って、なんでこんなに罪悪感を感じやすいんだろう」と思ったとき、ぜひ今回の記事を思い出してみてください。それはあなたの弱さではなく、長年抱えてきた「心の物語」が反応しているだけかもしれません。
また、こういったことは1人だけだと「わかるけど、罪悪感やっぱりぬぐえないよ!」とよりモヤモヤする方もいるかもしれません。そういった時には、カウンセリングを利用してもらうのがとてもオススメです。心のプロのカウンセラーが優しく寄り添いながら、これから進む方向性を一緒に考えてくれると思います。(私のカウンセリングを受けてほしいということではなく、ご自身に合いそうなカウンセリングを選んでもらうのが最善だと思います。ご自宅から通いやすい場所だと定期的に通いやすいかなとも思います)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。












コメントを残す