「子どもを甘やかしすぎているのではないか。だけど、厳しくしすぎるのもよくない気がする…」
お子さんを育てていると、こんなふうに葛藤を感じる場面は多くの方が経験したことがあるのではないでしょうか?
実は、保育士さんの「保育」における重要な概念としても「甘え」と「甘やかし」、「受け入れる」と「受け止める」の違いはとても有名です。
言葉は似ているようで、子どもへの影響はまったく異なります。
この違いを知っているだけで、育児がぐっとラクになることがあると思いますので、今回はこの2つの言葉の違いについて解説したいと思います。
【この記事でわかること】
- 「甘え(甘えさせる)」と「甘やかし」の本質的な違い
- 「受け入れる」と「受け止める」の意味の違い
- 日常の場面ですぐ使える具体的な声かけ例
【意味の違い】「甘え」と「甘やかし」
甘え(甘えさせる)とは
まず、「甘え」とは、子どもが親に安心感や愛情を求める、とても自然な行動です。
2〜6歳の幼児期は、自分でできることが少しずつ増えていく時期ですが、同時に不安や怖さを感じやすい時期でもあります。「抱っこして」「一緒にいて」「見ていて」——こうした言葉は、子どもが親を深く信頼しているからこそ出てくるサインなんです。
甘えをしっかり受け止めてもらえた子どもは、「自分は大切にされている」という安心感(愛着)を育てます。この安心感が土台となって、外の世界へ積極的に踏み出す自立心が生まれます。甘えることは、子どもの心の成長に欠かせないプロセスなんですよ。
甘やかしとは
一方で、「甘やかし」とは、子どもの要求をすべてそのまま叶えてしまうことです。
たとえば、スーパーでお菓子を欲しがって泣いたとき、「泣き止んでほしいから…」という理由で毎回買ってあげてしまう——これが甘やかしの典型的な例です。子どもの感情ではなく、子どもの要求(行動)に無条件で応じることが甘やかしの本質です。
このような「甘やかし」が続くと、子どもは「泣けばなんでも叶う」と学習してしまい、自分の欲求をコントロールする力(自己調整力)が育ちにくくなってしまうと言われています。
甘えと甘やかしの違いを表にまとめると・・・
| 甘え(甘えさせる) | 甘やかし | |
|---|---|---|
| 対象 | 子どもの気持ち・愛情欲求 | 子どもの要求・行動 |
| 親の対応 | 気持ちに寄り添う | 要求をそのまま叶える |
| 子どもへの影響 | 安心感・自立心が育つ | 自己調整力が育ちにくい |
このように、「甘えさせる」ことと「甘やかす」ことは、まったく別物なんです。ですので、お子さん気持ちに寄り添うことを、恐れる必要は全くありません。
【意味の違い】「受け入れる」と「受け止める」
受け入れるとは
まず、「受け入れる」とは、子どもの行動や状況をそのまま肯定・許容することです。
たとえば、子どもが友達のおもちゃを取ってしまったとき、「まあいいか」と見過ごすのは「受け入れる」に近い対応です。良い・悪いの判断を保留したまま、すべてをOKとするニュアンスがあります。
何でもかんでも「受け入れる」だけでは、子どもが社会のルールや他者への配慮を学ぶ機会が失われてしまうこともあるんです。
つまり、「受け入れる」は「甘やかす」と同じようなことです。
受け止めるとは
次に、「受け止める」とは、子どもの感情や気持ちをしっかりキャッチすることです。行動を許可するかどうかとは別に、「あなたがそう感じていること、ちゃんとわかっているよ」と伝える関わり方です。
「おもちゃを取られて悔しかったね」と気持ちを言葉にしてあげる——これが「受け止める」という行為です。受け止めてもらった子どもは、自分の感情に名前をつける力(感情の言語化)が育ち、やがて自分でも気持ちを整理できるようになっていきます。
子どもが「甘えて」きたら、しっかり「受け止める」。
子どもが何か自分のニーズを言ってきたら、まずその「気持ち」を「受け止める」ことが大切です(=すべて子どもの要望を「受け入れる」わけではない)。
受け入れると受け止めるの違いを表にまとめると
| 受け入れる | 受け止める | |
|---|---|---|
| 対象 | 行動・状況 | 気持ち・感情 |
| ニュアンス | 許容・肯定する | キャッチ・共感する |
| ポイント | 行動の良し悪しを判断する | 感情の良し悪しは問わない |
感情はすべて受け止めてOK。行動には、必要に応じてやさしくガイドを。これが、受け止める育児の基本的な考え方です。
日常の場面で使ってみよう:具体的な声かけ例
「甘えと甘やかし」「受け入れると受け止める」の違いを、実際の場面で確認してみましょう。
【場面①】「もっと公園にいたい!」と泣いて帰りたがる
- ❌ 甘やかし:毎回泣かれるたびに帰る時間を延ばし続ける
- ✅ 甘えさせる:「もっと遊びたかったんだね、楽しかったね」と共感しながら、「でも今日はここまでにしようね」と優しく伝える
- ✅ 受け止める:「帰りたくなくて悲しいね」と感情を言葉にしてあげる
- ❌ ただ受け入れるだけ:「じゃあずっといていいよ」とルールを手放す
【場面②】弟・妹のおもちゃを取ってしまった
- ✅ 受け止める:「あのおもちゃで遊びたかったんだね」とまず気持ちを受け止める
- ✅ やさしくガイドする:「でも取ったら〇〇ちゃんが悲しいよ。一緒に使おうって言えるかな?」と次の行動を伝える
- ❌ 甘やかし:「もういいよ、取っちゃっても」と何も伝えない
まとめ
- 「甘えさせる」=子どもの気持ちに寄り添うこと → 安心感と自立心が育つ
- 「甘やかし」=子どもの要求をそのまま叶えること → 自己調整力が育ちにくくなる
- 「受け止める」=子どもの感情をキャッチすること → 感情の言語化力が育つ
- 「受け入れる」=行動や状況を肯定・許容すること → 何でも許すわけではない
大切なのは、気持ちにはしっかり寄り添い、行動にはやさしく関わるというバランスです。完璧にできなくて大丈夫。「今日も一緒に考えてくれる親がいる」——それだけで、子どもの心はずっと豊かになりますよ。
今回書いた内容についてもう少し深く話してみたい、子どもへの関わり方について一緒に考えてみたいという方は、ぜひカウンセリングをご検討いただけたらと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。












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